一番長く付き合う相手と仲良くしよう
人生で一番長く付き合う相手って、誰だと思いますか?
家族でも、親友でも、パートナーでもなく、
自分自身ですよね。
生まれてから死ぬまで、一度も離れることなく、ずーっと一緒にいる相手が自分自身です。
それなのに私たちは、この一番近くにいる相手のことを、わりと粗雑に扱いがちです。
人からひどいことを言われたら、そっと距離を置くことができます。
でも、自分が自分にひどいことを言っている場合は、逃げ場がありません。
「なんでこんなこともできないの?」
「もっと頑張らないと、生きてる価値ないよ」
「体調悪いとか言い訳せずに、早くやれば?」
こんなことを人から毎日言われたら、間違いなくパワハラです。
……が、自分が自分に言っている分には、誰も止めてくれません。
うつになる前の私は、これを常にやっていました。
自分を毎日毎日追い立て続けて、できない日があると自分を責めて、一人反省会。
心も体も追い立てられ続け、そしてある日、「もう無理!」とストライキを起こした。
それが、私のうつだったんだと思います。
そんな体験を経て気づいたことは、
人生の苦しみは、「自分との関係性」が壊れていることから生まれる
ということです。
だから、自分との関係性を回復させることが、人生を変えたいときの選択肢の一つなんだと思うんです。
如実知自心
密教(特に真言宗)の根本経典である『大日経』に、こんな言葉があります。
如実知自心(にょじつちじしん)
「ありのままに(真実のごとく)、自らの心を知ること」という意味です。
これは、密教における悟りの定義です。
密教では、悟りとは「何か特別なものを外から得ることではなく、自分の心の本来の姿に気づくこと」だと説かれています。
つまり、
「自分は世界をどう見ているのか?」
「自分は何に反応しているのか?」
「自分が自分自身にどんな言葉を与えているのか?」
これらを知ることが、大切だということなんですね。
前に別の記事でも書きましたが、私の場合はあるとき、子供の頃から「成長しない自分には価値はない」という言葉を自分に与えていたことに気がつきました。
薄々気づいてはいたんですが、うつになったことで、真正面からその自分の価値観に向き合うことになりました。
この言葉で自分を縛っていることが、ようやく腑に落ちたんです。
自分にどんな言葉を与えているかを自覚したことで、「それってほんと?」と自分に問えるようになりました。
そして、これまで見えていなかった選択肢が見えるようになったんです。
これまでは、
A 頑張るルート
B 頑張らないルート
があったら、成長しないといけないので自動的にAを選択していました。
Bという選択肢があることすら見えていなくて、私の目の前には常にAの頑張るルートしかない状態でした。
でも、自分にどんな言葉をかけ続けていたのかがわかったことで、AかBかを選ぶ分岐点の存在に気づけるようになりました。
だから、それまでは自動的にAを選んでいた私も、一度立ち止まってBを選べる状態になったんです。
「成長しない自分には価値はない」に気づいていないうちは、頑張る以外の選択肢はなく、「頑張ることをやめたら私は生きている価値がない」と思い込んでいました。
今は、頑張れない時は頑張れないし、
「今日の私はこれで精一杯だった。よく生きた!」
と割り切るようにしています。
まだ練習中なので、心の筋トレのように、コツコツと捉え方をトレーニングしている最中です。
如実知自心。
ありのままに自分の心を知ることで、私の場合は「どんな自分でもいいんだ」と少し自信がつきました。
これは、資格を取ったとか、お金を稼いだとか、仕事で結果を出したとかとは、全く違う種類の自信です。
外部条件に左右されない、どんな状況でも揺るがない自分自身の基盤となる自信。
私は悟りとは程遠いですが、密教の悟りへの道が「自分自身の心を知る」だったということの理由は、少しわかった気がしました。
自分との関係性を回復する、小さな一歩
私は限界を越えてしまったので、うつになって強制停止されてしまいました。
だからこそ、そうなる前に「如実知自心」を日頃から実践してみることを、おすすめしたいなと思っています。
意識してほしいことは、「自分との関係性を良くすること」です。
自分にかけているパワハラワードはありませんか?
人に言ったらパワハラになることは、自分に言うのもやめましょう!
人に優しく。
自分にも優しく、です。
そして、自分を褒めるハードルを、限界まで下げてみてください。
お風呂に入るのがめんどくさかったけど、入った。えらい。
掃除した。えらい。
今日も生きた。えらい。
私と同じような「頑張る族」の人は、相当頑張ってないと「頑張った」と思えないようになっています。
でも、長年の言葉の癖も、後から書き換えることはできます。
「死ぬほど頑張ったから100点」という、鬼基準での採点はもうやめておきましょう。
それをやってると、無意識に人のことも「もっとやれるでしょ!」「私はこんなに頑張ってるのに!」とジャッジしてしまいがちです。
だから、自分との関係性が変わると、人との関係性も自然と変わっていくんだと思います。
採点基準を見直せば、「今日も頑張ってたな〜」と、自分にも人にも思えるようになるはずです。
以前の記事で、情報との「間」について書きましたが、自分との間にも「対機説法視点」は使うことができます。
「今の自分に、この言葉はちょうどいい?」
頑張れるときの自分には「もうひと踏ん張り頑張ろう!」がちょうどいい。
でも、疲れていて、もう頑張れない自分に同じ言葉をかけたらオーバーキルです。
相手の状態に合わせて言葉を選ぶことには気をつける人も、なぜか自分には無頓着なんですよね。
自分にも気をつかってあげましょう。
一番長く付き合う相手である自分自身の、一番の理解者になってあげる。
そうすれば、人生はだいぶ生きやすくなるんじゃないかなと思っています。
みなさんは最近、自分にどんな言葉を与えていますか?
よかったら、今日は自分を褒めてみてくださいね。


monaさん、こんにちは。
如実知自心、なるほどと思いながら拝読しました。
これを実践するのに「書く」という行為は良さそうですね。相手に伝える文章ではなく、己と向き合い、掘り下げるための文章。
自分の言葉との付き合い方、出来ているようでいて、なかなか難しいものです。
monaさん、おはようございます♪
私の寄り添いびとの発信での小さなことでも、できたらオッケーだよ、ということにも共感してくださる方がいらして、元気をもらえたとかコメントをいただいています。ステキなお話をありがとうございました😊